春頃から、グイン・サーガを読んでいます。
グイン・サーガというのは
豹頭の戦士であるグインを主人公として、架空の世界、架空の時代に生きる、彼を中心とするさまざまな人物の生と死の波乱を描いたサーガ(大河小説)。『三国志』を彷彿とさせるような、国と国とのあいだで繰り広げられる戦争、策謀、興亡の歴史を背景として、その宮廷、あるいは市井に生きるさまざまな人物の野望、妄執、友情、決別、恋愛といった愛憎が織りなす壮大な人間模様を紡ぎだしていく。1979年(昭和54年)9月の第1巻『豹頭の仮面』の刊行以来、コンスタントに巻数を重ね、100巻を越えてなお多くの読者を獲得しているベストセラー小説シリーズである。
こういうお話です。wikiより。
去年NHKでアニメ化したので知ってる人も多いんじゃないでしょうか?
私もアニメから入った人間です。あとこのアニメ、音楽が素晴らしすぎるううう。(植松信夫)
立場が違えば思惑も違う。
それでいてたくさんの人物達がそれぞれの視点を持ちながら(物語は三人称ですが)繰り成す物語。
この、大河物のような大きな大きな物語は、すごく好みです。
幻水好きにおすすめ、とはまさに。
惜しむべくは作者が死去されてしまい、未完の大作になってしまったことですね。がっくり。
現在24巻(赤い街道の盗賊)まで読了です。
以下、ネタバレを含みます。たいしたことは書いてませんが…。
イシュトヴァーンとリンダが好きで入ったジャンルなので感想がすごく偏っています(笑)
[モンゴール=パロ戦役編]
1~15巻(16?)までの長い長いプロローグといったところでしょうか。
アニメはここまでですね。
だらだらと視聴を続けていたアニメで、イシュトヴァーンとリンダが恋仲になったあたりでロマンス好きな自分には「キタコレ!」でした。
(ロマンスメインじゃない話の、ロマンスを妄想するのが好きなんです。)
この二人、もう付き合う前からばんばんと悲恋フラグが立っているんですよね。
リンダの「運命」はグインであり、リンダの予知者として直感も「イシュトヴァーンではない」と告げている。
それでも若い彼らが惹かれて止まない姿はきゅんきゅんしました。
だからこそ一層、アルゴスで別れてからの…いや、ナリスと出会って以降のイシュトヴァーンを見るのが辛くてたまらない…。
破滅へ向かって一直線なイシュトヴァーンが、なんとかして幸せになってくれないかと願うばかりです。
彼の誤解はリンダとちゃんと話をすれば一発で解決するだろう!ぎりぎりしていたのですが、どうやらヤーンはもう彼とリンダを会わせるつもりがないようで。ぐすん。
あの自信家なイシュトヴァーンが打ち砕かれるほどナリスの魔の魅力が強かったってことですね。災いを呼ぶ男はどっちやら。
[ケイロニア編]
アルゴスで別れた後のグインの物語。
グインマンセーすぎてちょっと冷静にさせられる話。ぐ、グインは大好きなんだけれど…!
イェライシャの「赤毛に気をつけろ」の伏線はバルドゥールより実はゼノンなんじゃないかと勘ぐったりしましたが、全然そんなことはなかった\(^o^)/
バルドゥールが最初から最後まで小物すぎてどうにも盛り上がりに欠けるというか。いや、パロ編のナリス、アムネリスと比べるのは可哀想ですね。
ダリウスもなんとなく「そうじゃないかな~」と思ってたのでむしろイリスはもう少し考えろと思ってしまいました。
ところでイリスはユリアが殺された後、森番の老人たちに助けられ成人してからダリウスの前に姿を現したというけれど、では5歳で母を失って後20年間男装したわけじゃなく、成人してから現在までの、5年ほど…多く見積もっても10年程度しか男装してないのでは?
それで「母の名誉を注ぐために幼い頃から男装し剣と馬にのみ人生を費やした私の気持ちがお前なんかにわかるものか」みたく言うのはちょっと、なんかな~と思います。
ダリウスの法廷での証言を聞いたときは、森番のあたりも嘘だと思ったのだけど、どうやらそこは本当らしいし。
そうは言っても、マリウスとイリスの恋模様には大変萌えましたが。でへへ。
BASARAという少女漫画を思い出しました。あれも主人公の女の子が、殺された村と双子の兄の敵討ちのために男装して(兄の名前で)仲間を集めてついには軍を率い、政府と対決するまでになるのだけど、物語の途中途中で、女の子本来の姿で仇の相手に会って恋をしてしまうという。
お互い事情も身分も隠し、ただ愛に走った二人が、初めて公の場で出会うのが、その最後の軍との対決なのですよね。仇だと知らずに恋をした少女と、その仇の相手。うう。
話がずれた。
しかしイリスの葛藤が「性別の偽装」「復讐を諦めるかどうか」であるのに対し、マリウスの葛藤は「自分がパロ王家ゆかりのもの」という重大なことよりも「男を愛しちゃった僕どうしよう!」なのがうけます。な、なんか落差が!落差が!(笑)
とうとう抑えきれなくなって「男でもいいや!この際!」とか言ってちゅーしちゃったところは萌えると同時に本当に笑った。
[これからの予測]
ゴーラの僭王になった後、リンダを手に入れにパロに侵略するのかどうなのか。
レムスは「いつかイシュトヴァーンと軍隊を率いて戦う予感がする」と言っているので、第三次モンゴール=パロ戦役は起こってしまうのかな。
これからの道筋としていくつか伏線が撒かれていますが(ナリスとスカールの対決、グインのケイロニア離脱、パロ内乱など)リンダについてだけは、一つも見あたらないのはどういうことか!
わざとなんでしょうが…。
うう、気になる。
女の子キャラではやっぱりリンダが一番好きです。(アストリアスをその誇りで圧倒した時とかちょう燃えた!)
彼女にはぜひ幸せになってもらいたい。
イシュトヴァーンとの初恋は、どうやら悲しい形で裏切られてしまうのかな。
もう答えの出ない予測ではありますが、グインの最後の花嫁はリンダだと信じてます!
そしてイシュトヴァーンは…アムネリスと幸せになってくれたら…。
アムネリスも、クムに幽閉されて「ナリスのように」動き始めたときは「うおおお反撃の烽火!!」と燃えたのですが、知らぬ間にタリオ公の愛妾になっていてorz
うあああ。
あの根は純情だったアムネリスが、処女を売り払ってまでモンゴール復活のために身を削り策謀を巡らすのは、本当に胸が締め付けられます。
ナリスによって運命を狂わせられた二人で、せめて傷をなめ合ってくれたら…と思いますが、どうやらそうはいきそうにないですね。
二人とも現在不幸すぎて、読むのが辛いorz
せっかく結婚するのだからお互い幸せになってほしいけど、アムネリスは救出する男を暗殺する気でいるし、イシュトヴァーンはアリに「恋はするな」と言われてしまったし、あああどうなるんだああ。
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書き忘れてた…
グイン・サーガはおもしろいのだけれど、どうにもあの後書きのテンションだけはついてゆけないです;
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